「ガールズピンポン！」

　はぁはぁはぁ。私は三十分以上休みなく打ったことで疲れが出た。
葵先輩の気遣いで十分休憩をすることになった。そのおかげで私は床に座って休んだ。そんな時、恵子が私の隣に座ってきた。
　私は思い切って、どうだった？と話しかけた。
「……キツイけど、楽しいかな。昔から卓球は好きだから」
「…昔から卓球してたんだ？」
　私は水筒を飲み終わってから、恵子に話しかけた。
「さあやと幼馴染でよく二人でやってた。あ、栞って、犬みたい」
　恵子は私のことを悪口？　誉め言葉なのか言ってきた。
　さっきの言葉を頭に入れたまま、葵先輩とレシーブの練習の続きをした。
「休憩の時、私に犬みたいって言ったけど、どういう意味？」
　　先輩との指導を終えて、私は片づけをしている恵子に声をかける。
「…なにも意味ないよ。ただそう見えただけ。ねぇ？　さあや」
　床にしゃがむ恵子は私を見てきた。
「…見えるけど、そこまでではない」
　さあやは目を逸らして、恵子ちゃんの意見を否定した。
「はあ？　じゃあ、なに？」
「犬じゃなく、うさぎだ。例えるなら」
　さあやは私を見つめて、言う。
「うさぎって…。まぁ、どうでもいいわ。ただ単に私の独り言だから」
　恵子は目を逸らして、私に言い放つ。
「そこまでにしておいて。今日はみんな疲れてるんだから。しかも、先輩のいる前で…」　
　桃は私たちの話をまとめるかのように言う。
「…私は犬でもうさぎでも嬉しいな」
　夏海はポツリと天井を見ながら言う。
「…犬もうさぎも動物だし、どっちも一緒だよ」
　片づけを終えたのかミカはバッグを持って、本を片手に持ち、口角を上げて声を発した。
「仲いいのか悪いのか分かんないね。この際だから、お互い名前で呼び合ったら？」
　葵先輩は腰に右手を当て、一年生全員に言う。
「……いいんじゃない」