世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
「私は……この会社が好きです。私の見積りから、直接的ではないにしろ、誰かの幸せな暮らしの一端を担えていることに誇りをもっていますし、少なからず会社に貢献できているという自負もあります。また結婚に関してですがもし……誰かと……結婚することがあっても会社を辞めることは考えておりません」
「じゃあ結婚も出産も現地点で諦めてないってこと?」
「はい……」
「そう。でもそう思うのは勝手だけど世界との結婚はないわよ?それでも?」
「意志は……変わりません」
由紀恵が煙草を灰皿に押し付けた。
「ふうん。意外と欲張りなのね」
「え?」
「そもそも女は男と違って仕事も結婚も両方手に入れることなんてできないのよ。古い考えは嫌いだけど、結局女は結婚すれば子供を産み家事育児に追われるの。男女平等だなんて言われてるけど未だに世の中は不平等よ、男以上に仕事をしなければ女は上には立てない、評価されない。私のようにね」
聞いた話だが由紀恵は若い頃、想い人がいたそうだが会社の社長に就任するためにその恋人とは別れ、未だに独身を貫いていると内情に詳しい明菜からチラッと聞いたことがある。
「ようはいま世界をとるなら……あなた……婚期逃すわよ?子供だって望めないかも」
「それでも……別れません。たとえ結婚できなくても……いまだけでも彼と一緒に居たいんです。好きだと思える仕事があって、そしてただ彼と一緒に居られるなら……多くは望みません」
たとえ世界と結ばれなくても、こんなに誰かに純粋に惹かれて好きになることなんて多分一生ないから。
今だけは世界のそばに居たい。
そしてそばにいて欲しい。
「ほんとあなたって……仕事熱心で評価も高いけど、融通が利かないのね。致命的。ま、想定内だけれど」
由紀恵は膝に乗せていた書類の束の中から図面と書類を取り出すとガラステーブルに向かってバサッと置いた。
「え、これ……」
見れば、先ほど心奈が抱えていた資料の束と同じだ。
「じゃあ結婚も出産も現地点で諦めてないってこと?」
「はい……」
「そう。でもそう思うのは勝手だけど世界との結婚はないわよ?それでも?」
「意志は……変わりません」
由紀恵が煙草を灰皿に押し付けた。
「ふうん。意外と欲張りなのね」
「え?」
「そもそも女は男と違って仕事も結婚も両方手に入れることなんてできないのよ。古い考えは嫌いだけど、結局女は結婚すれば子供を産み家事育児に追われるの。男女平等だなんて言われてるけど未だに世の中は不平等よ、男以上に仕事をしなければ女は上には立てない、評価されない。私のようにね」
聞いた話だが由紀恵は若い頃、想い人がいたそうだが会社の社長に就任するためにその恋人とは別れ、未だに独身を貫いていると内情に詳しい明菜からチラッと聞いたことがある。
「ようはいま世界をとるなら……あなた……婚期逃すわよ?子供だって望めないかも」
「それでも……別れません。たとえ結婚できなくても……いまだけでも彼と一緒に居たいんです。好きだと思える仕事があって、そしてただ彼と一緒に居られるなら……多くは望みません」
たとえ世界と結ばれなくても、こんなに誰かに純粋に惹かれて好きになることなんて多分一生ないから。
今だけは世界のそばに居たい。
そしてそばにいて欲しい。
「ほんとあなたって……仕事熱心で評価も高いけど、融通が利かないのね。致命的。ま、想定内だけれど」
由紀恵は膝に乗せていた書類の束の中から図面と書類を取り出すとガラステーブルに向かってバサッと置いた。
「え、これ……」
見れば、先ほど心奈が抱えていた資料の束と同じだ。