世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
第7章 雷雨は恋の記憶と突然に
(あ……好きなにおい……甘い)
その甘い匂いはよく知っていてほっとする匂いだ。
(あれ……ここどこ?)
「……てください」
(ん?この声……)
瞼が重くて堪らない。こじ開けようとしながらもまだ夢と現実の境目を行ったり来たりを繰り返している。
「梅将軍、起きてくださいっ」
肩を揺すられながら明菜の声が耳元から鮮明に聞こえてきて、私はパチリと瞳を開けた。
その瞬間に何かがバサッと落ちる音がした。
「……あれ明菜ちゃん?」
「はい、いつもより早く出社したら梅将軍がいらっしゃって、もうすぐほかの子も出社してきますので起こさせて頂きました」
「ありがと……って!明菜ちゃん!今!何時?!」
「え?」
両手を突っ張ってデスクから顔を上げれば、時計が朝の八時半を過ぎている。九時から始業開始だ。
「きゃあ!嘘でしょ!なんで!アラームかけ……」
その時黒くなっているパソコン画面に付箋が貼り付けられていることに気づく。
「えっ……」
明菜がクスっと笑った。
「昨日お会いされたんですか?」
「え?」
「これ、御堂くんのジャケットですよね?梅将軍に掛けてあったので」
明菜が私の足元からジャケットを拾い上げると、さっとほこりを払って私に手渡した。
「あ……」
明菜から受け取ればすぐに世界の石鹸のような甘い香りが鼻を掠めた。
その甘い匂いはよく知っていてほっとする匂いだ。
(あれ……ここどこ?)
「……てください」
(ん?この声……)
瞼が重くて堪らない。こじ開けようとしながらもまだ夢と現実の境目を行ったり来たりを繰り返している。
「梅将軍、起きてくださいっ」
肩を揺すられながら明菜の声が耳元から鮮明に聞こえてきて、私はパチリと瞳を開けた。
その瞬間に何かがバサッと落ちる音がした。
「……あれ明菜ちゃん?」
「はい、いつもより早く出社したら梅将軍がいらっしゃって、もうすぐほかの子も出社してきますので起こさせて頂きました」
「ありがと……って!明菜ちゃん!今!何時?!」
「え?」
両手を突っ張ってデスクから顔を上げれば、時計が朝の八時半を過ぎている。九時から始業開始だ。
「きゃあ!嘘でしょ!なんで!アラームかけ……」
その時黒くなっているパソコン画面に付箋が貼り付けられていることに気づく。
「えっ……」
明菜がクスっと笑った。
「昨日お会いされたんですか?」
「え?」
「これ、御堂くんのジャケットですよね?梅将軍に掛けてあったので」
明菜が私の足元からジャケットを拾い上げると、さっとほこりを払って私に手渡した。
「あ……」
明菜から受け取ればすぐに世界の石鹸のような甘い香りが鼻を掠めた。