世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
(昨日……来てくれたんだ……)
最近の私はすぐに視界が滲んでしまう。察しのいい明菜が私の顔を見ないように視線を逸らすとデスクの上の湯飲みを見つめた。
「……徹夜で残業なんて、あまり無理なさらないでくださいね。今日は私、梅将軍の見積りもガンガン引き取るんで少しやすんでください。あ、緑茶いれてきます」
「……明菜ちゃんありがとう」
明菜が私を見ながら少し眉を下げた。
「いいえ、全然です。あと……付箋見ちゃいました。ご事情は詳しく分からないですけど、御堂くんと梅将軍って私はすっごくお似合いだと思います……万事うまくいくことを願ってます」
「……え……?」
明菜が小さくピースサインをすると、私の湯飲みを抱えて見積課を出ていった。
(明菜ちゃん……)
私は付箋をパソコン画面からはがすと掌にそっと乗せた。
──『梅子さんへ 遅くまで見積りお疲れ様でした。印字したものは社長の金庫にいれておきました、データのコピーも送信済みです。今日、二人だけで話したい。あとで連絡するから。 世界』
「もう……公私混同じゃない。会社では課長でしょ……それに世界って」
嬉しくてたまらないくせに、いつものように可愛くない言い方でそう言葉を吐き出してから、私は世界のジャケットと一緒にそっと付箋を胸に抱きしめた。
最近の私はすぐに視界が滲んでしまう。察しのいい明菜が私の顔を見ないように視線を逸らすとデスクの上の湯飲みを見つめた。
「……徹夜で残業なんて、あまり無理なさらないでくださいね。今日は私、梅将軍の見積りもガンガン引き取るんで少しやすんでください。あ、緑茶いれてきます」
「……明菜ちゃんありがとう」
明菜が私を見ながら少し眉を下げた。
「いいえ、全然です。あと……付箋見ちゃいました。ご事情は詳しく分からないですけど、御堂くんと梅将軍って私はすっごくお似合いだと思います……万事うまくいくことを願ってます」
「……え……?」
明菜が小さくピースサインをすると、私の湯飲みを抱えて見積課を出ていった。
(明菜ちゃん……)
私は付箋をパソコン画面からはがすと掌にそっと乗せた。
──『梅子さんへ 遅くまで見積りお疲れ様でした。印字したものは社長の金庫にいれておきました、データのコピーも送信済みです。今日、二人だけで話したい。あとで連絡するから。 世界』
「もう……公私混同じゃない。会社では課長でしょ……それに世界って」
嬉しくてたまらないくせに、いつものように可愛くない言い方でそう言葉を吐き出してから、私は世界のジャケットと一緒にそっと付箋を胸に抱きしめた。