世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
「あ、すいません。五円玉踏んじゃってましたね」
その声にあっという間に視界が滲んで、勝手に涙の粒がコンクリの床に転がっていく。
「五円玉は、ご縁を運んできてくれるから大事にしなきゃだよね?梅子さん」
五円玉を拾いあげるとそのまま大きな掌が私の体をぎゅっと抱きしめた。
懐かしい甘い匂いに、私は涙がしみ込むのも構わずワイシャツに顔を埋めた。
「……世界……くん」
「ただいま。遅くなってごめん」
世界が私の頬に触れると直ぐに涙を掬っていく。三年ぶりにようやく会えた世界は、三年前よりもずっと大人に見えて、その表情は自信に満ち溢れている。私は掌をそっと伸ばした。
「……夢みたい……本物、だよね……」
思わず触れた世界の頬はちゃんとあったかい。じんと伝染する体温に世界の笑顔が重なる。
「ふっ……誰に見えてんすか?本物ですよ。生きてますし、お化けじゃねぇし」
「……すっごく……会いたかったの。すっごく寂しかったの……」
「うん。俺も会いたくて会いたくてたまらなかった……毎日梅子さんのこと考えない日なかったよ」
世界が切れ長の瞳を優しく細めると、すぐに頬にちゅっとキスを落とした。
「もうこれからはずっと一緒だから」
「……う、ん……ひっく……もう絶対……離さないで」
世界が何度も私の目尻から涙の粒を掬うと、私の左手の薬指に口づける。
「ね、目瞑って?」
「え?」
「いいから」
言われるがままに少しの時間、目を瞑れば指先に冷たい感触が走る。
「はい。いいよ」
ゆっくり瞳を開ければ、私の薬指には大きな白銀の煌めきが宿っている。
「……これ……世界く……」
世界が私の手をとったまま、ひざまづいた。
「源梅子さん、俺と結婚してください」
その声にあっという間に視界が滲んで、勝手に涙の粒がコンクリの床に転がっていく。
「五円玉は、ご縁を運んできてくれるから大事にしなきゃだよね?梅子さん」
五円玉を拾いあげるとそのまま大きな掌が私の体をぎゅっと抱きしめた。
懐かしい甘い匂いに、私は涙がしみ込むのも構わずワイシャツに顔を埋めた。
「……世界……くん」
「ただいま。遅くなってごめん」
世界が私の頬に触れると直ぐに涙を掬っていく。三年ぶりにようやく会えた世界は、三年前よりもずっと大人に見えて、その表情は自信に満ち溢れている。私は掌をそっと伸ばした。
「……夢みたい……本物、だよね……」
思わず触れた世界の頬はちゃんとあったかい。じんと伝染する体温に世界の笑顔が重なる。
「ふっ……誰に見えてんすか?本物ですよ。生きてますし、お化けじゃねぇし」
「……すっごく……会いたかったの。すっごく寂しかったの……」
「うん。俺も会いたくて会いたくてたまらなかった……毎日梅子さんのこと考えない日なかったよ」
世界が切れ長の瞳を優しく細めると、すぐに頬にちゅっとキスを落とした。
「もうこれからはずっと一緒だから」
「……う、ん……ひっく……もう絶対……離さないで」
世界が何度も私の目尻から涙の粒を掬うと、私の左手の薬指に口づける。
「ね、目瞑って?」
「え?」
「いいから」
言われるがままに少しの時間、目を瞑れば指先に冷たい感触が走る。
「はい。いいよ」
ゆっくり瞳を開ければ、私の薬指には大きな白銀の煌めきが宿っている。
「……これ……世界く……」
世界が私の手をとったまま、ひざまづいた。
「源梅子さん、俺と結婚してください」