世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
「ちょっと……やめてよ!何でよ、会ったばっかで、年の差もあるしありえないでしょ!」

「年って関係ないでしょ。大体会ったのも三回目だし」

「え?……三回目?」

梅子の目がまるくなる。

「ま、いいや。何度でも言いますけど、俺、梅子さんにめちゃくちゃ気があるんで覚悟しといてくださいね」

「ちょ、梅子さんって……」

俺は梅子にずいと顔を寄せた。

「な……近っ……」

梅子が真っ赤になると、キスされると思ったのか防衛本能で口元を覆った。

(かわい。顔真っ赤)

俺はここぞとばかりに梅子の座っている椅子の背もたれに手をかけた。

「ちょっ……何……」

「今ならキスしても怒んないかなって」

「ばかっ!強制わいせつよ!訴えるわよ!」

「俺、お坊ちゃんなんで顧問弁護士いるんですよ。お好きにどうぞ。はい、目瞑ってよ」

「ばか!離れなさいっ……」

この調子で押して押しまくれば、近く梅子も折れて俺と付き合ってくれるかもしれない。てゆうか絶対落としてみせる。

(俺のお姫さまをあのかっこつけのお殿さまなんかに渡してたまるか)


──「入社早々、何してんのかな?」

その声に梅子が思いっきり俺を突き飛ばす。俺は、できれば聞きたくなかった声の主にむけて社会人として最低限のマナーの言葉だけを口に出した。
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