劣等生と魔法のキス
教室が騒つく。誰もダンスの練習をするとは聞いておらず、ミアも戸惑ってしまった。

「トーン！」

先生が天井に向かって杖を動かし呪文を唱えると、天井から優雅なワルツが流れ始める。生徒たちはまだ戸惑っているのだが、先生は気にすることなく一人の生徒の名前を呼ぶ。

「ミスター・ジョーンズ、こちらへ来なさい」

名前を呼ばれた男子生徒は恐る恐る先生の前に立つ。そして、先生に教えられながら腰に腕を回し、踊り始めた。

「さあ、皆さんもペアを組んで踊りなさい」

先生がそう言うと、男子生徒と女子生徒が次々とペアになり、ぎこちない動作でワルツを踊り始める。

「ミア、踊ろう」

ペアを探していたミアにリーマスが手を差し出す。ミアが戸惑っていると、リーマスが強引に手を引いた。

「大丈夫。これは「授業」だから」

周りをミアが見ればみんなペアを作って踊っている。突然言われたペア作りならば仕方ないとみんな思ってくれるだろう。
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