劣等生と魔法のキス
「実は、クッキーとかお菓子作りしたの初めてなんだ。大変だけど、楽しいものだね。勉強とかの息抜きにちょうどよさそう」

「えっ、初めて作ってクオリティ？マジで？」

クッキーを見つめながらミアがポカンと口を開けて驚いていると、リーマスの指が頰に触れた。突然触れた温もりにミアが体を硬直させると、リーマスがニコリと笑って指先を見せる。そこには、クッキーのクズがついていた。

「こんなについてたよ。フフッ、可愛い」

「子どもみたいって思ってるんでしょ！」

揶揄ってきた仕返しと言わんばかりにミアはリーマスの頭に両手を伸ばし、綺麗にセットされた髪を手でグシャグシャにする。だが、リーマスは怒るどころか優しそうに微笑むだけで、ミアの方が柔らかな彼の髪に触れたことで逆に恥ずかしくなってしまう。

「ごめん」

ミアがそう謝り手を離すと、リーマスは「もっと撫でてくれていいんだよ？気持ちよかったし」と言う。彼のボサボサになってしまった髪が風に揺れた。

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