劣等生と魔法のキス
ミアは首を傾げながら記憶を振り返る。リーマスと同じクラスになったのは、四年生になったのが初めてだ。それまで接点はほとんどなく、四年生になって初めて教室で会った時、交わしたのはごく普通の挨拶だったはずだ。

「そうだよね。覚えてないよね」

リーマスはミアから離れた後、いつものように笑って言った。だが、その目はどこか辛そうで、ミアの心が痛みを覚えた。



人気者と何かしら関わるということは、本来ならばどんな時も気を抜いてはならないのが鉄則である。何故なら、嫉妬心に満ちた女子たちがいつどこで目を光らせているかわからないためだ。

「ねえ、どういうこと?何であんたみたいな落ちこぼれがリーマスといちゃついてたわけ?」

女子生徒三人がミアを壁際に追い込み、睨み付けている。一人が証拠となる写真をミアに見せつけているため、「気のせいじゃない?」とは言えない。

目を覚ました後、朝食を食べるためにミアが大広間に行こうとしたところ、部屋の前でこの三人が立っており、人目につかないこの場所まで連れて来られた。ミアの味方は誰もいない。
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