劣等生と魔法のキス
「あの時の男の子、リーマスだったの!?全然思い出せなかった!!」

ミアが驚くと、リーマスは「あの頃より、僕も背が伸びたりしたからね」と頬をかきながら言う。

「あっ、ところで二つ目のしたいことって何?」

ミアがそう訊ねた刹那、ふわりと唇に柔らかいものが触れる。そして、目の前にはリーマスの顔があった。キスをされているのだと自覚した刹那、ミアの顔は耳まで赤くなる。

「リーマス!な、なな何を!?」

初めてのキスにパニックになるミアに対し、リーマスは「頬っぺた、もう痛くないんじゃない?」といたずらっ子のように微笑んで言う。ミアは叩かれた頰に触れた。触れても全く痛くない。

「僕だけが使えるオリジナル魔法だよ。唇にキスをすると、その人の怪我を治すことができるんだ」

リーマスはそう笑顔で言い、ミアはその場にしゃがみ込んでしまう。戸惑ってしまっているが、嬉しい。緊張と恥ずかしさでいっぱいになっているが、幸せ。胸の中は色んな感情が混ざり、よくわからない。
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