劣等生と魔法のキス

ミアはそう言って笑ったものの、内心は泣きたい気持ちでいっぱいである。何故自分はこんなにもドジなのか、普通の魔女とは違うのか、考えるだけで鼻がツンと刺激されてしまう。

「そういえば、そろそろよね。学年末パーティー」

ミアの心情を察したのか、ヴァイオレットが話題を変える。学年末パーティーとは、四年生から参加することのできるパーティーのことだ。学年末にパーティーホールで夜中まで開催され、パーティーの最後には全員でワルツを踊る。だが、学年末パーティーは参加する・しないは自由だ。

「ミアはパーティー、参加するの？」

「ん〜、あれってダンスの相手がいないとダメでしょ？私を誘ってくれる人なんてきっといないから、参加したくてもできないかな。あとドレスの準備とか大変そうだし」

ミアはそう言って笑った後、調合の続きを再開する。ユニコーンのツノを粉末状にし、水とオリーブ油を加えた後、呪文を唱える。

「ドゥースーズー！」