劣等生と魔法のキス
イケメンと呼ばれる顔立ち、そして人気者の彼に突然手を掴まれたことにミアは驚き、口から高い声が出てしまう。そんな中、リーマスが言った。

「ユニコーンのツノは乱暴に粉末状にすると効果がなくなっちゃうよ。優しく、ゆっくり、丁寧に」

リーマスに手を掴まれたまま、先ほどまで早かったミアの手がゆっくりとユニコーンのツノを粉末状にしていく。初めて異性に触れられたことで、ミアの心臓は高鳴り、顔は嫌でも赤く染まっていった。

リーマスと一緒に粉末状にしたユニコーンのツノを他の材料が入った容器に入れ、杖を構える。この時もリーマスに手を掴まれていた。

「呪文を唱える時は、こうやって杖を動かすんだよ。ドゥースーズー!」

呪文をリーマスが唱えるとポンッと音を立て、煙が上がる。そこにあったのは花ではなく、きちんとした薬だった。

「よかった、最高できて!リーマス、ありがとう!」

ミアはホッとしてリーマスの方を見る。彼はどこか頰を赤く染めながら真剣な顔をしている。ミアがその表情に胸を高鳴らせると、リーマスの唇が動いた。
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