劣等生と魔法のキス
「ねえ、今日ヴァイオレットと話してたよね?学年末パーティーのこと」

「えっ?う、うん……」

手はまだ掴まれている状態のため、ミアはリーマスから離れることができない。ミアのダークブラウンの瞳と、リーマスの青い瞳が絡み合い、胸の鼓動は一秒ごとに早くなっていく。そんな中、彼は大きく息を吸い込んだ後、言った。

「僕と一緒にパーティーに行こうよ。僕と踊ってほしい」

「えっ!?」

突然の誘いにミアは驚いて飛び上がる。リーマスとはただのクラスメートで、挨拶を交わすことはあれど、深く関わったことは一度もない。落ちこぼれの自分と人気者の彼では、そもそも釣り合わないだろうし、周りからリーマスが責められることになるのは明白である。

「ごめんなさい。気持ちは嬉しいけど、私、リーマスのことよく知らないから」

ミアは数秒後、誘いの返事を告げる。本音は隠し、優しい嘘を吐く。ミアの胸はズキズキと痛みを発するものの、仕方がないことだと自分にただ言い聞かせた。
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