ようこそ、新たな自殺志願者たちよ
たまたま廃墟の病院内に足を踏み入れたヤツが自殺を望んでいて、たまたまその後に自殺してしまっただけだと思い込んでいた。
――浅はかな考えで検証しようとしていたオレがバカだった。
今になって来なければよかったと後悔した。
頭がカチ割れるように痛いし、外も中も薄気味悪い。これだけ分かればもう十分だ。レポートはそれっぽいことを書いて提出すればいい。
……早く、早くここから出ないと。
頭の激痛に耐えながら、オレはゆっくりと顔を上げた。
――なんで死にたくなるのか、その意味をやっと本当の意味で理解したような気がする。
さっきまで視えていなかったのに、目の前には真っ黒な何者かが立っていて、
「ようこそ、新たな自殺志願者たちよ」
カチ割れそうな脳内に直接、その声のようなものが流れ込んできた。
高いとも低いとも言い表せることができない、その独特な声と気持ち悪さは半端ではない。
――ああ、
オレ、
死ぬかもしれない。