ようこそ、新たな自殺志願者たちよ


「生きたいって、もう死んでるんだよ。申し訳ないと思っているなら、ここに留まらずに成仏してくれ。それがせめてもの償いだ」


 殺人鬼を強く睨むと、頭の痛さが増した。
 ガンガンと割れるような痛みが酷くなっていた。

 ――や、やばい。これ以上ここにいたら……それに、アヤだって無事では帰れないかもしれない。

 一か八かで殺人鬼に目を向ける。

 「ヴッ、ヴッ」と声を上げ、泣いているような気がした。

「オレが……オレたちが、おまえの存在を覚えてる。ちゃんと、これからもずっと覚えてるから。成仏してくれないと親族も悲しむだろ」

「……ワタシには母がいた。昔からずっと殴られてきた。いらないと言われ育てられてきた」

 殺人鬼、いや、元死刑囚は静かに語り掛けてきた。それはオレだけではなく、アヤにも伝わっているようで、アヤは俺の横に静かに来ては、「私も聞く」と、俺の横に座った。

 オレとアヤは顔を見合わせ、死刑囚の言葉を聞く。

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