ようこそ、新たな自殺志願者たちよ
「その根拠は?」
「昔からそう言い伝えられてるから。アタシはそれを信じてる」
殺人鬼の気配は弱まり、頭がスッと少しだけ軽くなった。
その隙にアヤに「行こう」と手を引かれ、廃墟の病院を後にする。
オレ達はあの殺人鬼と会話ができたおかげで、出た後も死にたい気持ちにはならなかったけれど、死にたい気持ちになって死んでしまった人はどのくらいいるのだろう。
来たバスにアヤと一緒に乗り込んだ。
ちらっとアヤの横顔を見ると何か考えているのだろう、少し不安そうな表情をしている。
「なあ、アヤ。あの死刑囚が言った通り、この先、オレ達の未来って”キラキラしていないし、輝いてもいない。待っているものは絶望のみ”なのかな……」
本来なら何かしら励ましたいものの、明るくできずに、あの殺人鬼から言われたことを聞いてみる。