ようこそ、新たな自殺志願者たちよ


 バスに揺られて30分が経過したころ、アヤからLINEが届いた。

『今日、生物の実験室借りて納豆菌の自由研究するんだけど、亮もくる?』

 オレはアヤに今日、都市伝説の場所に行くことは伝えていない。

 なので今伝えることにした。

『いや、いい。オレも今日自由研究するから』

『そっかー都市伝説だったよね。何にするの?』

『隣町の病院まで向かってる。廃墟病院。行った人は死にたくなるっていう都市伝説があんだよ。ちょっくら行って確かめてくるわ』


 もう着いてきてほしいとはこれっぽっちも思っていなかったオレは、都市伝説の内容をアヤに伝える。

 すると、すぐに電話が掛かってきた。

 バイブの振動がオレの手を伝う。バズの中なので、もちろん取ることができない。ただひたすらアヤごめん……とだけ祈っていると電話が鳴り止んだ。


 代わりに、

『軽めのヤツにするんじゃなかったの!? 隣町の廃墟病院はやめた方がいい! 私、小さい頃から親から絶対行くな、行ったら死ぬって言われて育ってきた!』

 忠告とも取れるLINEが送られてきた。

< 7 / 24 >

この作品をシェア

pagetop