15歳差の愛してる.
そっか。

あの時店長はきっとお母さんから
いらいろ聞いたんだ。

店長とお母さんの電話
長かったからな

私をお葬式に行かせる事に抵抗のあった両親の代わりに
わざわざ調べて
私にお葬式の詳しい行き方
教えてくれたんだ

そのおかげで今日も電車とバスで来れたんだ

だから今日の葬式も
心配して来てくれたんだ、

そんな大切な事

ショックで忘れてたんだ

なんか人間って凄い

怖いね




「私本当に覚えてなかった
店長。
ありがとうございます、」

私の言葉に
店長は
クシャッと髪を撫でた

「俺は何もしてないよ」

あっ
またあの笑顔だ

反則だよ

でも今回の店長はすぐに
真剣な顔に戻った

「っで、
さくらちゃんはこのままで良いの?」

このまま……

「……いいです」

「本当にいいのね?」

「本当は…」

「本当は何?」

「最期なんです
お兄ちゃんの、
明日しかないから
お母さんとお父さんに来て欲しい」

「よく言えたな」

優しく肩に手をおいた

「その気持ち、親御さんに話してみ」

「…無理です
あんな人達に言ったって伝わらないんです」

「それは言ってみなきゃわかんないよ?」

優しいけど
厳しい店長の声

……そうだよね
言ってみなきゃわかんないよね
…でも

「…そんなの言っても
お母さんとお父さんにお兄ちゃんの事を悪く言われるの想像つくんです、
実は私お兄ちゃんに何回か会ってたんですけど
お兄ちゃん私の前で家族の悪口言わなかったんです。
それなのに……」


「…全部話してみれば良い、
最近事情知った俺に偉そうに言われるのもウザったいかもしれないけど
放っておけないんだよ。
このままじゃ駄目なのさくらちゃんが1番分かってるんじゃないの?」

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