15歳差の愛してる.
―――スーーッ
大きく息を吸い込み
―――ハーーッ
大きく息を吐いた

深呼吸。

人間って深呼吸する機会って
意外とないよね

私、今しちゃってるけど


だって…
ドッッキドキしてるんだもん!


携帯には
店長の携帯番号

後は発信ボタンを押すだけ

…なのに

勇気が出ないよー


緊張しちゃって
胸がドキドキしちゃって

―――ポイッ!

私は携帯を乱暴に
投げた

―――ストンッ

ベッドの上だから
フワリと携帯は
布団の中に潜りこんだ

私も携帯と同じ様に
布団の中に潜り混む

「…………ん~~」

……苦しい!

私…
何やってんだろうっ!?



店長に

ありがとうございます

って言うだけなのに
それだけなのに
心臓が張りちぎれそうな位
ドキドキして…

大丈夫だ!

―――カチャ!

もう1回廊下に
誰も居ないのを確認した

お母さんもお父さんも1階だから
声聞こえないよね?

イヤイヤッ
2階に来ても自分の部屋だから声聞こえないじゃんね

やましい事話さないけどさ

私用で店長に電話をかけるのは初めてだから
緊張してもしかたないよね…?

電話するのに
耳にかかって邪魔だから
風呂上がりの髪を1つに束ねた

早くしないと
日付変わっちゃう。

―――プチッ

発信ボタン

押しちゃった…


―――トゥルルルルルル…
―――トゥルルルルルル…
―――トゥルルルルルル…
―――カチャ

あっ出た!よし!
「もしも…」

「こちらは○○○お留守番サービスセンターです…」

留守だ……

留守電入れとくか

「ピーッとなりましたら20秒以内にご用件をお話下さい…」


―――ピーッ

「楠井です。
今日お父さんを説得してくれてありがとうございました。
おかげでみんなで見送る事が出来ました、
店長…本当にありがとうござしました。」

―――プチッ

よし!
言えた!
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