15歳差の愛してる.
着いたのかな?

車が止まった
駐車場を降りて
ちょっと歩くと

そこは
タワーみたいな
大きい建物だった



タワーホール船堀、



店長はこのタワーを
そう教えてくれた。


店長と私は
手を繋いで
タワーの中に入った


「最高の思い出になるから
楽しみにしててね?」

「はい!」


…嬉しいな、


店長の暖かい手
に包まれながら
タワーのエレベーターに乗った


凄い!

エレベーターガールなんて
初めて見たよ


ニッコリと笑った
エレベーターガールのお姉さんは
すごくすごく綺麗だった

エレベーターに乗った
お客さんは
私達だけだった

何か…
ちょっとだけ緊張するな…

落ち着いた空気の中
グングンとエレベーターは
上昇して行った



―――チンッ

「展望室でございます」

お姉さんの声と同時に
エレベーターのドアが開いた


―――…うわあ


「綺麗!」

ガラス張りになっていて
180度外が見渡せる展望室


いろんな色のライトが
クリスマスのイルミネーションみたく
輝いていた


ず~っと遠くまで
見える景色

私の知らない所まで見える
景色

「本当にすごい!」

へばり付く様に
ガラスの外を見る私


でも手は

店長と繋がったまんま


店長は…
コレを見せたかったんだね?

店長の顔を見上げると
店長と目が合った

ちょっと暗くて
人が少ない展望室、


「店長…?」

「ん?」


優しいBGMが流れる展望室が


私を素直にさせた



「店長、大好きです」




「俺もです」
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