15歳差の愛してる.
店長の臭いで
いっぱいの車

「さくらちゃん?」

「店長?」


私と店長の声が
重なった

笑い合う私達

「な~に?」

店長が優しい目をして聞く

「店長!
目をつぶって下さいっ!」

「目?」

「いいから!」

言われた通り
目をつぶる店長

「手出して下さい!」

「…はい」

―――クャッ

差し出した店長の手に
白い小さな袋を乗せる


中身はもちろん…


「さくらちゃん、
目開いててええ?」

「開いて下さい!」


ゆっくり目を開く店長


「何?何コレ?
開けてええの!?」

私がコクンと頷く前に
店長はもう
ラッピングを開いていた

「開けんの早いですよ~!」

「何かめっちゃ緊張するー!」

店長は
破けない様に
ゆっくり
包装紙を開ける、

その包装紙から
ちょこっと
顔を出した青の手袋は
一気に店長のテンションを上げた

「何!?何!?
めっちゃかわええやん!
これ何!?
え!?
ホンマにどうしてん!?」

いつもより1オクターブ
高い声を出す店長、

私…超嬉しい!


「プレゼントです!
店長に…ていうか廉君に!」

「嘘やん!
ホンマにありがと~!
さくらちゃんありがと~!
俺嬉し過ぎるて!
ありがとうな?」


―――ギューー

「う~っ!
苦しいよ~!」

抱きしめられながら
幸せを噛み締める


「さくら!
ホンマなんてええ子やねん!」


―――さくら
店長が初めて
そう言ってくれた、

“さくら”
自分の名前が好き
ってそう思えたよ?
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