粉雪
「あ…。
…こんにちわ。」


少し不思議そうに
それでも笑顔で俺を見る


なんだか恥ずかしくて…
なんて言っていいかわからなくて


ただ頭を下げた



「今日は…どうしたんですか?」


加奈は握っていた筆を置いた



その筆は

俺が折ってしまって、新しく買ってきた今ポケットに入っているのと同じ…


「あ…いや、…。」
無意識にポケットを握りしめる

カサッ


筆が入った紙袋が存在を主張するかのように鳴く


それに気付いて
加奈が俺のポケットに視線を向ける


「…それって…。」


さすがに紙袋の色だけでなにかを感じ取ったらしい


バレたか…



俺は戸惑いながらポケットから紙袋を取り出した


「この前…折ったから…。」


恥ずかしい

さすがに毎日使うものだから買ってるよな


顔が熱くなるのが分かる


かっこわりぃなぁ…俺は…
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