粉雪
静かな神社の境内に
うるさく響く蝉の声



加奈は神社の石段に座ってスケッチブックを広げていた



俺が

ゆっくり近づくと

加奈は慌ててスケッチブックを閉じる


疑問に思った俺は加奈を覗き込んだ


「何で隠すの?」


俺の質問に笑顔で加奈は言う


「内緒…。」


そんな風に
可愛く言われたら

これ以上突っ込めねぇよ


「ふーん…。」


半信半疑で俺は買ってきたアイスを加奈に差し出した

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