粉雪
丸石が敷き詰められた河川敷


自転車を止めて

彼女に歩み寄る



真剣な眼差しで
真っ白なキャンバスに線を描いていく



俺の視線に気が付いたのか彼女がゆっくり振り返った

「あっ…!」


俺を見て驚きの表情に変わる


「こんにちは。」


笑顔で挨拶してみる

この前の出来事で第一印象は良くないはずだから払拭しなくては…


「こんにちは。」


戸惑いながらも笑顔で挨拶を返してくれる



「俺は高橋尚司(たかはししょうじ)。青蘭大学の3年。この前は俺の方こそごめん。」


謝る俺を見て
表情が軽くなる彼女


「私は赤西加奈(あかにしかな)です。青蘭芸術大学3年生です。」


軽く頭を下げる加奈


「青蘭美大に?大学隣なんだ…。」

驚きを隠せない俺を見て
加奈はさらに笑顔になる


「そうだね。」


そしてまたスケッチブックに向き合う


「絵うまいね。
見てもいい?」


「どうぞ。」


俺は一歩踏み出した
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