タロくんとハナちゃん
引っ越し
ピンポーン━━━━━
鈴木邸に、早朝から呼び鈴が鳴り響く。
華子の母親が、応対する。
「太朗くん、早いね……(笑)」
「はい!すみません、早くハナちゃんに会いたくて!」
「悪いんだけど、華子まだ寝てるのよ。
引っ越しの準備は、出来てるみたいだけど……
…………って!今が、約束の時間とか?」
「あ!違いますよ!
すみません。僕が楽しみで早く来すぎたんです……」
「そう…良かった!
あの子、ほんとおバカさんだから(笑)」
「フフ…そんなところも、僕にとっては可愛いです!」
「………フッ…!
ほんっと、太朗くんもそーとーよね!
華子みたいなおバカで弱々しい子が好きだなんて(笑)
太朗くんは、変人さん?(笑)」
華子の母親は、目をパチパチとして噴き出し言った。
「そんなこと、ないですよ?(笑)」
「でも、本当にいいの?」
「え?」
真剣な眼差しになる母親に、太朗も思わず肩に力が入る。
「太朗くんとは、正反対な子よ?
引っ込み思案で、どんくさい。
まぁ、私にとっては可愛い娘だけど……
貴方みたいな“パーフェクト”な人には、鬱陶しいんじゃない?」
「ハナちゃんがいいです」
太朗も真剣に見つめ言った。
「そう。だったらいいの。
娘を、よろしくお願いします」
「はい!
安心してください。
ハナちゃんのことは、僕が守ります!」
そう言って太朗は、華子の部屋に向かった。
まだ寝ていると言うことで、静かにドアを開け入る。
まだ夜明け前なので、真っ暗な室内。
太朗は、ポケットからスマホを取り出しライトをつけた。
ライトの光を頼りに、ベッドに向かう。
大きなスーツケースを見つけ、その上に着ていく予定であろう服が置かれていた。
「どんな服着んだろ?」
ライトの光を当てながら、服を見る。
しかし、なかなか分かりづらい。
「あー、ダメだ…わっかんない」
しかたなく太朗は諦め、ベッド脇に座り今度は華子の顔が見えるようにライトを当て、覗き込んだ。
「可愛い!
早く起きないかなー」
いっそのこと、起こそうか。
しかし、そんな強引なことはできない。
太朗は、華子の頭をゆっくり撫でていた。
鈴木邸に、早朝から呼び鈴が鳴り響く。
華子の母親が、応対する。
「太朗くん、早いね……(笑)」
「はい!すみません、早くハナちゃんに会いたくて!」
「悪いんだけど、華子まだ寝てるのよ。
引っ越しの準備は、出来てるみたいだけど……
…………って!今が、約束の時間とか?」
「あ!違いますよ!
すみません。僕が楽しみで早く来すぎたんです……」
「そう…良かった!
あの子、ほんとおバカさんだから(笑)」
「フフ…そんなところも、僕にとっては可愛いです!」
「………フッ…!
ほんっと、太朗くんもそーとーよね!
華子みたいなおバカで弱々しい子が好きだなんて(笑)
太朗くんは、変人さん?(笑)」
華子の母親は、目をパチパチとして噴き出し言った。
「そんなこと、ないですよ?(笑)」
「でも、本当にいいの?」
「え?」
真剣な眼差しになる母親に、太朗も思わず肩に力が入る。
「太朗くんとは、正反対な子よ?
引っ込み思案で、どんくさい。
まぁ、私にとっては可愛い娘だけど……
貴方みたいな“パーフェクト”な人には、鬱陶しいんじゃない?」
「ハナちゃんがいいです」
太朗も真剣に見つめ言った。
「そう。だったらいいの。
娘を、よろしくお願いします」
「はい!
安心してください。
ハナちゃんのことは、僕が守ります!」
そう言って太朗は、華子の部屋に向かった。
まだ寝ていると言うことで、静かにドアを開け入る。
まだ夜明け前なので、真っ暗な室内。
太朗は、ポケットからスマホを取り出しライトをつけた。
ライトの光を頼りに、ベッドに向かう。
大きなスーツケースを見つけ、その上に着ていく予定であろう服が置かれていた。
「どんな服着んだろ?」
ライトの光を当てながら、服を見る。
しかし、なかなか分かりづらい。
「あー、ダメだ…わっかんない」
しかたなく太朗は諦め、ベッド脇に座り今度は華子の顔が見えるようにライトを当て、覗き込んだ。
「可愛い!
早く起きないかなー」
いっそのこと、起こそうか。
しかし、そんな強引なことはできない。
太朗は、華子の頭をゆっくり撫でていた。
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