タロくんとハナちゃん
(ここでキスしたら、タロくんどう思うかな?
………って、ここは水族館!!
何考えてんの!!私!)

自分で自分に突っ込み、頭をブルブルと振る。

(………てか、私にそんな大胆なことできないし……
くっつくのはいいかな?)
そう思い、おもいきって太朗に寄り添うように頭をくっつけた。

「ん?ハナちゃん?やっぱ、きつい?」

「あ、いえ!
そ、その…////タロくんに、くっつきたいなって…思って////」
バッと慌てたように離れ、恥ずかしそうに俯いた。

「そっか!
ほんと、可愛い!
フフ…だったらおいで?」
抱いていた腰を、更にグッと引き寄せた太朗。

その勢いで、顔が太朗の顔の間近に迫る。

「……っ…//////」
「ハーナちゃん!」

「は、はい!」

「可愛い…
ハナちゃん、大好きだよ!」

「……っ…//////」

太朗は片方の手で華子の頬に触れ、チュッ!と啄むキスをしたのだった。


それから他のブースを観覧したり、イルカショーや餌やり体験などを行った二人。

「ハナちゃん、もうそろそろ出ようか?」
「はい!」

「ちょっと遅くなったけど、何かランチ食べて帰ろう!」
「はい。何にします?」

「それは、ハナちゃんが決めて?
ハナちゃんが食べたいものが、食べたい!」

「えーと…
…………あ!そこのお寿司屋さんとかどうですか?」
キョロキョロとして、目についた回転寿司店を指差した。

「………」
狐につままれたような顔になる、太朗。

「え……」
(なんか、変なこと言ったかな?私…
タロくん、お寿司嫌いじゃないよね?
どちらかって言うと、お魚の方が好きなはず……!)

「………フッ…」
今度は、噴き出した太朗。
そしてククク…と堪えきれずに、笑い出した。

「え?え?タロくん?」

「今、水族館に行ったのに、お寿司食べるの?(笑)」
ずっと、クスクス笑っている。

「え?あ…/////」

「フフ…フフフ……」
ツボに入ったように、笑っている太朗。

「ご、ごめんなさい…/////
……………フフ…でも、ほんと可笑しいですね!(笑)」
華子も一緒になって笑う。

「フフ…いいよ!
魚好きだし、行こう!」
目じりに涙が溜まっていて、拭いながら言う。

そして二人は、回転寿司に向かった。
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