タロくんとハナちゃん
「え……」
華子が、固まる。

「マンションに閉じ込めて、もう…僕以外、誰の目にも触れさせないようにしていいの?」

「本…気、です…か?」

「本気だよ。
ハナちゃんのお母さんにも、理一郎達にも誰にも会わせない。
大学にだって出さないよ。
ずっと…外に出さずに僕が囲い込む。
もうハナちゃんは、僕としかいれない。
僕が全部身の回りのことして、ハナちゃんはもう…僕がいないと生きていけなくなる。
僕はね、ハナちゃん。
ずーーーっと……そうなることを夢見て生きてるんだよ……?」

太朗が華子の頬を包み込み、額と額をくっつけ語りかけるように言う。

「そ、それは……嫌です…」

「フフ…フフフ…」

「え?え?冗談…?」

「違うよ。本気は本気。
でも、ハナちゃんを傷つけることはしないってだけ!
ただ忘れないで?
僕はいつでも、ハナちゃんを監禁することができるんだからね!」

「タロくん、怖いです……」

「フフ…だよねー
でもね。
僕は事を起こすのに戸惑いも、躊躇もないよ。
やると決めたら、やるからね!」



ほんとに、イカれた恐ろしい人だ━━━━━━

でも何故だろう。

離れたいと思えない。

それどころか、常に一緒にいたいとさえ思う。





「いつか……」

「ん?なぁに?ハナちゃん」



「今は嫌ですが、いつかはいいですよ」

「………え…?」

「監禁、していいですよ」

「え?ハナ…ちゃん……?」




「それくらい、私は……タロくんが大好きだよ!!」


「え?え?ハナちゃん……
それ、反則…/////
しかも、タメ口……」


「え?あ!ご、ごめんなさい!!」


「ううん!ううん!
嬉しい!!
その言葉も、タメ口も!
最高に嬉しいよ!!
……………ねぇ、もっと言って?」


「タロくん」

「はい!ハナちゃん」

「私は、タロくんが大好きだよ!!」


「僕も、ハナちゃんが大好きだよ!!」








これは、お互いがお互いを必要とし、お互いに存在意義を求め合う。


そんな、太朗と華子の物語━━━━━━━━





















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