タロくんとハナちゃん
兄弟
「━━━━わぁ~!か、可愛い~/////」
美容室にて。
カットを終えた華子が戻ってくる。
その姿はまさしく、太朗が一目惚れしたあの時そのままだった━━━━━━
太朗は、二人の出逢いは“運命”だと思っている。
太朗と華子の出逢いは、華子が中三で太朗が高一の時だ。
華子の中学の卒業式後、理一郎がほんの遊び心で太郎丸のたまり場に連れて行ったのが始まりだ。
「理一郎くん、何処行くの?」
「んー?まぁ、黙ってついて来いよ!
まぁ…ちょっと怖いが、俺がいるから!」
「……??」
「━━━━遅いよ、理一郎さ……ん?
誰っすか?この子」
俊彦が近づいてきて、華子の顔を覗き込んだ。
「あ…あ…」
思わず、理一郎の背中に隠れる華子。
「俺の従妹。
鈴木 華子。
俊彦とタメだ。
しかも、高校も俺達と一緒だ」
「へぇー!
じゃあ…中学卒業したばっかすか?」
「あ、は、はい…」
「タロは?」
「あ、向こうにいます」
中に入ると、強面の男達が沢山いた。
それぞれ、スマホを扱っていたり、酒を飲みながら話をしたりしていて自由に過ごしていた。
その中でも、一際オーラが放つ人物がいた━━━━━
後ろ姿なのに、凄まじいオーラだ。
思わず、見入っていると………
「タロ!」
理一郎が、太朗を呼ぶ。
「ん」
振り返った太朗。
「…っ…/////」
ドクン━━━━と、華子の中で……
恋に落ちる音がした。
そしてそれは、太朗もそうだった。
「……っ…誰…あの子……」
タタタッと、華子に駆け寄る。
「…………君、名前は?」
華子を理一郎の背から引き寄せ、頬に優しく触れて言った太朗。
「あ…/////」
華子は、ドキドキして上手く言葉が出ない。
「僕は、佐藤 太朗。
“タロ”って呼んで?」
「……/////」
「年は16歳。
この太郎丸の総長で、◯◯高の一年。
あ、でももうすぐ二年か…!
◯◯のマンションで一人暮らししてるから、いつでも来てよ!
あ!番号、教えて?
僕、SNSはしないから、番号!
ね?お願い!」
「タロ!!」
華子に見惚れ、立て続けに話しかける太朗を止める理一郎。
「あ?理一郎、何!?」
「ハナ、退いてる。
やめろよ!」
「は?ハナ?
ハナってこの子のこと?」
「あぁ。俺の従妹。
鈴木 華子!」
「へぇー!ハナちゃんかぁー!
可愛いね!」
人懐っこい笑顔で、華子を見下ろす太朗。
そんな太朗に、華子の心は益々奪われていくのだった。
美容室にて。
カットを終えた華子が戻ってくる。
その姿はまさしく、太朗が一目惚れしたあの時そのままだった━━━━━━
太朗は、二人の出逢いは“運命”だと思っている。
太朗と華子の出逢いは、華子が中三で太朗が高一の時だ。
華子の中学の卒業式後、理一郎がほんの遊び心で太郎丸のたまり場に連れて行ったのが始まりだ。
「理一郎くん、何処行くの?」
「んー?まぁ、黙ってついて来いよ!
まぁ…ちょっと怖いが、俺がいるから!」
「……??」
「━━━━遅いよ、理一郎さ……ん?
誰っすか?この子」
俊彦が近づいてきて、華子の顔を覗き込んだ。
「あ…あ…」
思わず、理一郎の背中に隠れる華子。
「俺の従妹。
鈴木 華子。
俊彦とタメだ。
しかも、高校も俺達と一緒だ」
「へぇー!
じゃあ…中学卒業したばっかすか?」
「あ、は、はい…」
「タロは?」
「あ、向こうにいます」
中に入ると、強面の男達が沢山いた。
それぞれ、スマホを扱っていたり、酒を飲みながら話をしたりしていて自由に過ごしていた。
その中でも、一際オーラが放つ人物がいた━━━━━
後ろ姿なのに、凄まじいオーラだ。
思わず、見入っていると………
「タロ!」
理一郎が、太朗を呼ぶ。
「ん」
振り返った太朗。
「…っ…/////」
ドクン━━━━と、華子の中で……
恋に落ちる音がした。
そしてそれは、太朗もそうだった。
「……っ…誰…あの子……」
タタタッと、華子に駆け寄る。
「…………君、名前は?」
華子を理一郎の背から引き寄せ、頬に優しく触れて言った太朗。
「あ…/////」
華子は、ドキドキして上手く言葉が出ない。
「僕は、佐藤 太朗。
“タロ”って呼んで?」
「……/////」
「年は16歳。
この太郎丸の総長で、◯◯高の一年。
あ、でももうすぐ二年か…!
◯◯のマンションで一人暮らししてるから、いつでも来てよ!
あ!番号、教えて?
僕、SNSはしないから、番号!
ね?お願い!」
「タロ!!」
華子に見惚れ、立て続けに話しかける太朗を止める理一郎。
「あ?理一郎、何!?」
「ハナ、退いてる。
やめろよ!」
「は?ハナ?
ハナってこの子のこと?」
「あぁ。俺の従妹。
鈴木 華子!」
「へぇー!ハナちゃんかぁー!
可愛いね!」
人懐っこい笑顔で、華子を見下ろす太朗。
そんな太朗に、華子の心は益々奪われていくのだった。