もう唄わないで

スマートフォンでやり取りもしているけれど、妹は文字を書いて送ることが好きらしい。



(後で読むからね)



穏やかな気持ちの時に、ゆっくり読みたい。



もう一通は差出人の名前に見覚えが無かった。



(誰だっけ?男の子の名前?)



でも、知っているような気がする。



思わず、封を切ってしまった。



《星無小学校の同窓会のお知らせ》



その文字を読んだ時、頭の中でありもしない警報器が鳴り響いた気がした。



《星無市立星無小学校で、かつての四年B組のみんなで集まりましょう》



「……!?」



その続きは読まなかった。



(四年B組?なんで!?)



大抵は卒業した六年のクラスで同窓会をするものじゃないの?

だけど。

答えは出ている気がした。






勇気くんだ。







勇気くんが行方不明になって、丸四年が経つから。

何かそれと関係があるんじゃないかと思った。



ヴーヴーヴーッ!



学習机に振動音が響く。

< 22 / 99 >

この作品をシェア

pagetop