もう唄わないで
スマートフォンでやり取りもしているけれど、妹は文字を書いて送ることが好きらしい。
(後で読むからね)
穏やかな気持ちの時に、ゆっくり読みたい。
もう一通は差出人の名前に見覚えが無かった。
(誰だっけ?男の子の名前?)
でも、知っているような気がする。
思わず、封を切ってしまった。
《星無小学校の同窓会のお知らせ》
その文字を読んだ時、頭の中でありもしない警報器が鳴り響いた気がした。
《星無市立星無小学校で、かつての四年B組のみんなで集まりましょう》
「……!?」
その続きは読まなかった。
(四年B組?なんで!?)
大抵は卒業した六年のクラスで同窓会をするものじゃないの?
だけど。
答えは出ている気がした。
勇気くんだ。
勇気くんが行方不明になって、丸四年が経つから。
何かそれと関係があるんじゃないかと思った。
ヴーヴーヴーッ!
学習机に振動音が響く。