もう唄わないで
四年ぶりの再会
星無市に足を踏み入れるのは、四年ぶりだった。
この四年、お盆もお正月も。
両親と妹が、祖母の家に来てくれていた。
私が星無市に行くことは、無かった。
「……変わってない」
星無市の、星無町の駅におりて。
口からポロッとこぼれた言葉。
「お姉ちゃーーーんっ!」
妹が駅まで迎えに来てくれたみたい。
改札を出て、駅舎の出入り口に近づくと。
両手をぶんぶん振っている妹を見つけた。
「久しぶり」
「本当、もっと帰って来てよー!寂しいんだから!」
妹はそう言って、ニコニコ笑う。
「今日はこっちに泊まるんでしょ?」
「うん」
「おばあちゃん、元気?向こうの学校って何が流行ってるの?」
「そんなに一度に質問しないでって〜。おばあちゃんは元気だよ!」
私はなるべく笑顔を見せつつ、妹と話した。