もう唄わないで
【鬼の子】
ルール
同窓会の日から、もうすぐ一週間。
私は星無市から出て、祖母の家に帰って。
学校に通い、日常を過ごしていた。
その日は、優佳と放課後の教室で話していて。
帰るのが少しだけ遅くなった。
帰宅して。
ちょうど二階に上がった時だった。
ヴーヴーヴー。
スマートフォンが鞄の中で震える。
制服姿のまま、私は画面を確認して。
電話に出た。
『響ちゃん、今って話せる?』
「うん。どうしたの?璃花子ちゃん」
璃花子ちゃんは外にいるのか、電話越しにビュービュー風の音が聞こえる。
『あのね、わかったことがあるの』
璃花子ちゃんは注意深く、ゆっくりと言った。
『……いるんだよ。勇気くんみたいに、突然帰って来なかった子』
「えっ!?」
『私ね、あれから検索かけたの。星無市限定で、突然消息不明になった子ども』
「え、でも、なんで?」
私にはどういうことなのか、わからない。