もう唄わないで
「!?」
ドキンッ!!
心臓が跳ねた。
驚きと、じわじわ恐怖がやって来る。
「唄っちゃ、だめ!叔母さんっ!」
「なんで?懐かしいなって思ってさ。あたしが知ってる【うるおい鬼の歌】って、今でも一緒なのかな?」
更に唄い出しかねない。
私と璃花子ちゃんは、慌てて窓のそばにかけ寄った。
「!!」
薄暗い空。
月は、見えない。
「だーいじょうぶだよー、ただの噂なんだし!心配症だなぁ」
叔母はのんびりと言う。
「それにさ、ここは星無小学校でもないよ?」
そう言われて、ホッとしたけれど。
次の瞬間。
私に異変が起こった。
視界がどんどん暗くなってくる。
「えっ、えっ、何これ!?」
暗くて。
見えにくい。
「暗いの、怖いっ!」
私は慌てる。
叔母は「どうしたの!?」と、心配そうに私に顔を近づける。