もう唄わないで
言葉の意味
「ちょっと待って、都市伝説って?」
私は妹の部屋に言って、妹と向かい合って座った。
「都市伝説だよ。【うるおい鬼】の!」
目がまわりそう。
私はこめかみを指で強く押して、
「……ねぇ、やったの?【うるおい鬼】。やってはいけない条件で」
と、尋ねた。
妹はきょとんとした表情で。
「なんで私が?嫌だよぅー、怖いもん!」
と、笑った。
(良かった……)
ひとまず胸を撫で下ろす。
「私はやってないんだけどさ、今日の夕方にね、クラスの男子達がやってみるって騒いでた。夜はさすがに怖いって話になってね」
と、妹は話し出す。
「今日は雨降るって話だったじゃん。薄暗い一日だったし。で、夕方に雨が降った時にね、学校の旧校舎に忍び込んだ男子が唄ったんだって。【うるおい鬼の歌】」
それを聞いて。
私の頭でパズルのピースが合わさるような感覚があった。