もう唄わないで
決心
祖母の家に戻った月曜日。
学校を休ませてもらった。
「本当に病院に行かなくてもいいの?」
と、祖母が心配してくれている。
「大丈夫だよ。ちょっと見えにくいってだけだから。すぐ治ると思うし」
「本当に病院嫌いなんだから。響のお母さんも病院嫌いだったけど。変なところは本当、よく似るのねっ」
「……えー、そうかもしれない」
私があはははっと笑うと祖母はため息を吐いたけれど、
「何かあったらすぐ言うのよ」
と、ひとまず病院へ行く話を終わらせてくれた。
学校に行っても。
多分この視界じゃ、何にも出来ない。
今日は部屋にいようと思って、私は二階へ上がる。
スマートフォンを見ると、メッセージが届いていた。
「璃花子ちゃんだ」
《目の具合はどう?あんまり無理はしないでね》
私はそのメッセージをありがたい気持ちで読んで、
《ありがとう。今日の午後、星無市でみんなと会えないかな?》
と、送った。