初ちゃんと緑さん
その1 〈初side〉
お父さん、お母さん、こっちでの暮らしはとっても楽しいです。
4月に憧れの東京の大学に入学して、大好きな本に囲まれながらアルバイトをして、私の生活は順調そのものです。
あの人を除いては…
「初ちゃん」
緑さんはやっぱり大人だ。
私は、緑さんの顔を見るだけであの時のことを思い出して恥ずかしくなってしまうのに。
あの時は緑さんも顔が赤くなってたのになぁ、なんて思いつつ緑さんの仕事を手伝う。
「緑さん、やっぱりイラスト上手いですよね」
「嬉しい、ありがとう」
緑さんは、来週発売の漫画のキャラクターのポップを作っていた。
さすが、漫画家を目指している方だから素人目からみてもすごく上手。
「初ちゃん、これ、色塗れる…?」
「色指定してもらえれば、全然!」
「じゃあ、ここは…」
緑さんが描いたキャラクターたちに、私が色鉛筆を使い、色付けをしていく。
緑さんが描くポップは目が引くし、お客さんにも好評なんだそう。
「出来ました」
「じゃあ、次はこれね」
「は…はい…ん?」
私は緑さんに渡された絵をまじまじと見てしまった。
「私っ!?」
4月に憧れの東京の大学に入学して、大好きな本に囲まれながらアルバイトをして、私の生活は順調そのものです。
あの人を除いては…
「初ちゃん」
緑さんはやっぱり大人だ。
私は、緑さんの顔を見るだけであの時のことを思い出して恥ずかしくなってしまうのに。
あの時は緑さんも顔が赤くなってたのになぁ、なんて思いつつ緑さんの仕事を手伝う。
「緑さん、やっぱりイラスト上手いですよね」
「嬉しい、ありがとう」
緑さんは、来週発売の漫画のキャラクターのポップを作っていた。
さすが、漫画家を目指している方だから素人目からみてもすごく上手。
「初ちゃん、これ、色塗れる…?」
「色指定してもらえれば、全然!」
「じゃあ、ここは…」
緑さんが描いたキャラクターたちに、私が色鉛筆を使い、色付けをしていく。
緑さんが描くポップは目が引くし、お客さんにも好評なんだそう。
「出来ました」
「じゃあ、次はこれね」
「は…はい…ん?」
私は緑さんに渡された絵をまじまじと見てしまった。
「私っ!?」