仕事サイボーグな私の恋愛事情~人生は物語のようには上手くいかない。それでも…また恋を始めても良いですか?
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それから一週間が過ぎ、大きな音を立て美月の勤めるオフィスの扉が荒々しく開け放たれた。驚いた社員達が扉の入り口に立ち声を荒げる女性を見つめた。
「岡本美月はいる?!」
唐突に自分の名前が呼ばれ、困惑しながらも返事をしながらその場に立った。
「岡本美月は私ですけど」
入り口に立っていた女性はヒールをカツカツと鳴らしながらこちらへとやって来る。その形相は怒りに満ちていて、思わず美月は身構えた。そんな美月の前までやって来た女性は、美月の顔をマジマジと見つめると、右手を振り上げ思いっきり美月の頬を平手打ちした。
「パンッ」