仕事サイボーグな私の恋愛事情~人生は物語のようには上手くいかない。それでも…また恋を始めても良いですか?
智咲から連絡が来た時、ほんのちょっとだけ期待してしまった。もしかしたら私の誕生日を両親が祝ってくれるのではないか?受け入れてくれるのではないか?と……。そして両親の後ろ姿を見た時、また元の家族に戻れるのではと思ってしまった……。しかしそれは幻想でしか無かった。
私はもう、あなた達の娘ではないのですね。
両親の蔑むような視線が突き刺さる。
「こんなにめでたい日だと言うのに何てことなの……」
母の震える声が聞こえてくる。
目でたい日?どういうこと?
意味が分からず、首を傾げると父が答えた。
「今日は智咲の昇進の祝いなんだ」
智咲の……そう、それでこんなホテルでお祝いを?
先ほどの会話から推測すると、昇進の祝いに智咲が両親に感謝の気持ちを込めて、ここでの食事に招待したと言うところだろう。
帰れと言われているし、邪魔者の様だからここにいるわけにはいかない。