仕事サイボーグな私の恋愛事情~人生は物語のようには上手くいかない。それでも…また恋を始めても良いですか?
まさかの引っ越し
*
カタカタカタ……。
美月の勤めるオフィスに、パソコンのキーボードを叩く音が響き渡る。
「ちょっと、岡本さんどうしちゃったのかな?いつにも増して凄くない?」
「うん……鬼気迫る感じするよね?何かあったのかな?」
「男に振られたとか?」
ぷぷぷっ……。
女子社員達がせせら笑う。
しかし、それにいちいち腹を立てる美月ではない。言いたい人には言わせておけばいい。美月は何でも完璧にこなす完璧主義者のように回りに思われているようだが、以外にも面倒くさがり屋だ。全てをきちんとこなすのは、やり直しが面倒だからで、自分の周りを綺麗に片づけるのも、後でやるのが面倒だからという理由からだ。
だから今も、反論するのが面倒くさくて黙っているだけ。
それに私は妹の智咲から、沢山の嫌がらせや、皮肉、嫌味を言われてきた。あれぐらいの言葉では何も感じない。小鳥のさえずりと何も変わらないように聞こえる。