仕事サイボーグな私の恋愛事情~人生は物語のようには上手くいかない。それでも…また恋を始めても良いですか?
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今日はいつも以上に仕事をこなしたため、定時で帰ることにした美月は荷物をまとめ外に出た。するとエントランスの外に人だかりができているのに気づく。ザワつくエントランス先で一体何が起こっているのだろうか?女子社員達がキャーキャーと騒いでいるのが見える。そんな女子社員達の視線の先でニコニコと微笑んでいたのは、昨日出会った笹原涼だった。
どうしてこの人がここに?
女子社員達に囲まれている涼の姿を見つめながら、ゆっくりと後ずさろうとしたその時、こちらに気づいた涼が近づいてきた。
「美月、良かった。会いたかったよ」
そう言って爽やかに笑った涼の両腕が美月の腰に回され、逃げられないようにホールドされた。
ひえーー!!
これには美月も、心の中で悲鳴を上げた。
皆が驚愕しながらこちらを見ている。
まずい……目立ちすぎる。