仕事サイボーグな私の恋愛事情~人生は物語のようには上手くいかない。それでも…また恋を始めても良いですか?
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美月はいつものように集中し、パソコンのキーボードを叩いていた。するとそこに湯原更咲が近づいてきた。
「岡本さん、今日一緒にご飯食べに行きませんか?」
「いえ、私は結構です」
「えー。たまには良いじゃないですか。先週もそう言って断りましたよね?明日は休みだし、行きましょうよ。ね!」
そう言って、更咲が美月の腕を引いた。
先週は社交辞令のような誘い方だったのに、今日はどうしたというのだろうか?
「ね。たまには私達に付き合って下さいよ」
両手を合わせ、可愛らしく片目をつぶる更咲の姿に、妹の智咲の姿が重なる。
この子……苦手だわ。
はぁーっと、大きく溜め息を付きながら美月は口を開いた。
「私と一緒では皆さんが楽しめないと思いますよ」
冷たく言い放つも、更咲は嬉しそうに笑った。
「そんな事無いですよ。だって……」
?
だって……?
何だろう?
次に繋がる言葉が気になる。
物凄く嫌な予感しかしない。
それなのに更咲が強引に美月を立たせ、オフィスから連れ出した。
「さあ、行きましょう!」