仕事サイボーグな私の恋愛事情~人生は物語のようには上手くいかない。それでも…また恋を始めても良いですか?
なんておこがましい。
こんな感情……。
自分の中に芽生えつつある感情に、美月は狼狽えた。
嫉妬の先にあるのは……。
私のような女がこんな感情を抱くなんて、涼も迷惑なはずだ。一緒に暮らしているのだって、涼の気まぐれなのだけら……。
嫉妬心からなのか、自分の中にあるどす黒い感情が這い出してくる気がした。
こんな自分は嫌だ。
醜い感情に支配されたくない。
何も考えず、仕事サイボーグでいる方がどんなに良いか。
涼……あなたの顔が見ていられない。
俯く美月の顎を涼がそっと、上げてきた。
「美月そうしたの?大丈夫?」
涼が美月の顔を覗き込んできた。
ああ……優しい顔。
そんな顔を私に晒さないで、相手は女慣れをしているホスト様なのだ。
絆|《ほだ》されてはいけない。
心を奪われてはいけない。
それでも……そう思っていても、この人に引かれてしまう。