仕事サイボーグな私の恋愛事情~人生は物語のようには上手くいかない。それでも…また恋を始めても良いですか?
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あの日から更咲達がからかってくることは無くなり、いつもの日常を送っていた。が、更咲達の様子は今までと違っていた。私と目が合うと、ピクリッと肩を跳ねさせ逃げていく。一体私達が帰った後、何があったのだろう。涼は美月は知らなくて良いと何も教えてくれない。
まあ、煩わしさが無くなって良かったけど。
そんな事を考えながら仕事を終わりにし、家に帰る途中でスーパー寄って食材を買い込む。
今日は何にしようかな?
涼は何が食べたいかな?
買い物カゴに今日のメニューを思う浮かべながら食材を入れていき、レジで会計を済ませるとマンションへと急いだ。ウキウキとしながら家路へと急ぐ自分……。そして、はたと気づく。自分がとても楽しんでいることに……。毎日があんなにも暗く、惨めで、空気さえも重く感じられていたというのに……。ここ最近は空気が軽く、息もしやすい。
それは全て涼のおかげだった。
涼のおかげで……あれ……私は……。
美月の中で芽生えつつあった感情が、またトクトクと音を立てて溢れ出す。
ダメ……。
あの時、封じ込めたはずの感情……。
気づいてはいけないのよ。
私は、仕事サイボーグ。