仕事サイボーグな私の恋愛事情~人生は物語のようには上手くいかない。それでも…また恋を始めても良いですか?

「えっ……ちょっと、お姉ちゃん?!」

 まだこの場に残り、ちやほやされたかったであろう智咲の腕を引っ張り、昼間とは違い人のいなくなった公園へとやって来た。何も言わずに引っ張ってきた私の手を、しびれを切らした智咲が振り払った。

「ちょっと、お姉ちゃん!離してよ!」

 そこで初めて智咲と向かい合った。

 本当なら話もしたくないし、智咲を視界にも入れたくない。しかしここまで来たら致し方が無かった。

 美月はワザと大きな溜め息を付いた、

 すると智咲が癇癪|《かんしゃく》を起こしながら声を荒げてくる。

「はあ?!何、溜め息なんか付いてんのよ。溜め息を付きたいのはこっちなんですけど!」

 先ほどの男達がいたときとは違い、可愛かった顔を歪め、恐ろしいほど殺気をこちらに向けている。

 その顔を先ほどの男達にも見せてやりたい。

 まるで顔の形まで変わってしまったかの様に、顔が歪んでいる。ここまで回りに人がいるのと、いないのとで、顔が変わるものなのか……。我が妹ながら、凄い芸当だと褒めたくもなる。少し感心していると、智咲が更に顔を歪めた。




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