仕事サイボーグな私の恋愛事情~人生は物語のようには上手くいかない。それでも…また恋を始めても良いですか?
穏やかな時間
*
美月が仕事から帰ってくるとマンションの前で涼が、笑顔を綻ばせながら駆け寄ってきた。
格好いいのに可愛いとか、最強かなと思う。
こんな人と私が暮らしているなんて、今更ながらに驚きだ。
涼の笑顔に引き込まれ、こちらまで自然と笑ってしまう。二人して笑っていると、突然手に持っていたエコバックが涼に奪われてしまった。
「重かったでしょう。持つよ」
「あっ……でも……」
「重たい荷物を持つのは男の仕事だよ」
そう言われれば、美月も何も言えない。
「ありがとう」
美月はお礼を言って、また微笑む。
「どういたしまして」
嬉しそうに涼が、マンションの中へと向かって歩き出した。
「ところで美月、今日の晩ご飯はなあに?」
「今日はハンバーグにしようかなと思ってるんだけど」
「やったー!ハンバーグ」