仕事サイボーグな私の恋愛事情~人生は物語のようには上手くいかない。それでも…また恋を始めても良いですか?
子供のようにはしゃぐ涼が可愛くて、クスクスと笑ってしまう。それを見た涼が嬉しそうに、美月の頬に触れた。
「美月は最近よく笑うようになったね」
そう言われてみれば、そうかもしれない。
ずっと笑う余裕なんて無かった。
こんな風に笑える日が来るなんて……。
「これも涼のおかげだよ」
笑顔で涼を見つめると、涼が目元を赤くさせながらもう片方の手も、私の頬に触れてきた。涼が私の頬を両手で優しく包み込む。それは壊れ物を扱うように、それはそれは優しくて……胸の奥がムズムズと疼く。
「そんな事を言ってくれるなんて、嬉しいよ」
涼の唇と私の唇が軽く触れあう。
甘くとろけるような時間が流れる。
トロンとしながらその時間を堪能していると、フッと涼が笑いながら玄関の扉を開けてくれた。