仕事サイボーグな私の恋愛事情~人生は物語のようには上手くいかない。それでも…また恋を始めても良いですか?
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美月の話を聞きながら俺の中から、怒りの感情が溢れ出すのを必死に我慢した。
美月は何も悪くない。
話を聞けば聞くほどそう思ってならなかった。大和とか言う男は一体何を考えているんだ?一線を越えていないなら、一緒に食事に行っただけで、誤解だと言えば良いだけのはず。ワザと美月を落とし入れるために動いていたようにしか思えない。美月の親も何かに操られるかのように美月を突き放している。会社の人間もそうだ。美月の話はまるで聞き入れないといった様子だ。
何なんだこれは……。
それらの中心にいる人物がいる……。
少し調べた方が良さそうだな。
美月が食事の準備をしている隙に、スマホである人物に電話を掛けた。
「ああ俺だけど、ちょっと調べて欲しいことがあるんだ。詮索するな。とっとと調べろよ。調べないなら店潰しても良いんだよ」
涼はスマホの通話ボタンをタップして放り投げた。
これで情報は入ってくるだろう。
何となくだが、黒幕は分かっているが証拠が無い。
とりあえず、証拠集めだな。
涼は底冷えするような瞳に力を込めた。
美月を悲しませた罰を受けてもらうよ。