仕事サイボーグな私の恋愛事情~人生は物語のようには上手くいかない。それでも…また恋を始めても良いですか?
*
「ピンポーン」
美月が仕事から帰って来てすぐにインターホンが鳴った。
誰か来たのかな?
宅配便?
美月が玄関のドアを開けると、そこには茶髪の派手な容姿の男性が立っていた。
涼の職場の人かな?
「あれー?ここ涼の部屋じゃ無かった?」
「えっ……はい。そうですけど?」
「へー。じゃあ君が涼の彼女?ふーん……」
茶髪の男性がそう言いながら、私の身体を上から下までなぞるように見つめてくる。嫌な視線に美月は自分の腕で自分の体を抱きしめた。
するとそんな美月にゆっくりと近づいてきた男性が、美月の身につけていた眼鏡を取り、キツくまとめていた髪をほどいた。
「ああ……なるほどね」
顎に手を当てながら男性が、一人納得したように頷いている。
何?
どういうこと?