XYZ
私は何か変なことを言ってしまったのか…

ナナミは大笑いしている。
普通に歩いていたのに、笑いすぎてそのスピードがだんだんゆっくりになっていく。


「ニカは心が、純粋で、綺麗で、…羨ましいよ」


ナナミはまた寂しそうな顔をする。

「そんなことはありません!」

自分でも驚くくらい大きな声が出てしまった。
でも、でも…


「私はナナミに、ナナミの明るさに、救われています。…ナナミは良い人です。」

本心だ。

ナナミがいなければ学校だって楽しくなかった。
友達と歩いて登下校する。
一緒にお弁当を食べる。
何気ないことを話す。

もっと、もっと、ある。

ナナミが私の世界に彩りを加えてくれた。



「ありがとう。ニカがそう言ってくれると、少し体が軽くなるような感じがする。」


ナナミは私がいる方と逆の方を向いた。

その瞳は何を見ているのか。
何を考えて、ナナミは生きているのか。、



私は何も、分かっていなかったね




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