ピアニストは御曹司の盲愛から逃れられない

 黎は彼女を抱き寄せた。

 「また始まった。すぐにネガティブになるんだな。これは癖か?イギリスでもそうだったね。黄色の花をあげただろ。勇気と元気をあげたはずだ。それなら、君にこれから自信をあげる」

 そう言って、彼女の顎を捕らえ、キスを落とした。
 百合は目を大きく見開いて彼を見た。

 「さあ、目をつむって……」

 そう言うと、角度を変えてまたキスをした。そっと唇を離し、何度も何度も……。
 息継ぎをした彼女を捕まえて深いキスをする。
 彼女の身体から力が抜けて、黎にしなだれかかった。

 「自信ついた?俺が自分からこんなキスをしたのははじめてだよ。そう、これからもずっと君だけだ」
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