ピアニストは御曹司の盲愛から逃れられない
「……やっぱり。驚いたわ。ベッドにひとりで寝ていたから。自分で歩いた記憶ないし」
百合は苦笑いをした。
「今日は寝るならちゃんとベッドで寝たほうがいい。それと、分かったと思うけどここは泊まることも出来るから、着替えを少し持ってきて置いて、お風呂を使ってもらっていいからね。定期的にハウスキーピングの人を入れているから、掃除は気にしなくていいから……」
「……でも。無料でそんなに使わせてもらうの気が引けます」
「君と俺はどういう関係だっけ?」
「……こ、恋人……です」
恥ずかしそうに、百合が答えた。
黎が抱き寄せる。